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ロシア現代音楽三羽ガラス!

プロコフィエフの肖像写真とおぼしきものを見た。

はじめて見た。

(この人のプロフィールは全く知らない)



この人は鬼才だ。

写真がもの語っている。

もしこの人と会話したら、たぶんついていけない。

次々にテーマが移って行く。

他人が聴いたらテーマの繋がりが見えにくいが

本人の中ではちゃんと繋がっている。

諧謔から深刻へ、深刻から舞踏へ、舞踏から瞑想へ、瞑想から諧謔へ…

瞬時にうつろっていく。

厳密には少しかぶっている感じがする。

ということはたぶん彼の中では同時進行している。

そして尽きない連想を素直につなげると

ピアノコンチェルト3番のような音楽が溢れ出てくる。

(もっともわたくしは2番のほうが好きだが)



20世紀における

彼のヴァイオリンソナタやヴァイオリンコンチェルトの孤高の高みを思うと

頭脳明晰でIQ相当高そうな彼ではあるが、本質は感性の作曲家なのだろう。

そこがおそらくわたくしが大好きな理由なのかもしれない。

もちろん彼の北方の響きはわたくしの故郷…

わたくしの夢想するヴァイオリン音楽の現代的理想像に最も近い曲たちだ…



彼のような鬼才に続いて、「現代のモーツアルト」と宣伝された

ショスタコーヴィッチがロシアに出るのだから

もう西洋音楽の「核」はヨーロッパを脱出している。



この流れはストラヴィンスキーが作った。

「春の祭典」が「現代音楽」の始祖のようにいわれるが、

この曲は才能あふれるストラヴィンスキーの

「若き日の消せるなら消したい誤謬」に過ぎない。

この曲の方向性の先には「虚空」のほかに何もない。

だから彼は残りの作曲人生をその後始末に費やすことになってしまった。

もったいないなあ。

とは言っても、遅かれ早かれ誰かがしたのだろうから、

まあしょうがないかな?  

時代を敏感に読んでしまった有能なストラヴィンスキー君!

そんなにがっかりするなよ! 

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テレマンとラモー 

「多様な表現を華麗に使いこなす」

多様性に限界を感じさせないので、

「音楽が大空を自由に飛翔している…」

そんな感覚のラモーとテレマンの音楽。

「バロック音楽」という分類が無意味な感すらする。

この点で二人はすべての西洋音楽の頂点に位置しているのかもしれない。


バッハやヘンデルは、表現のパターンの種類が明かに限定的だ。

(バッハは深い思索性、ヘンデルはスケールの大きさ、

 でそれぞれ代替の効かない音楽ではある)



「声楽」というジャンルだけを切り取ってみれば

モンテヴェルディ  と  ジョスカンデプレ  なのだろう。

表現の多様さに天井がなさそうな人は他にいそうもない。


オルガンという楽器だけを切り取ってみれば

フレスコバルディ  ブクステフーデ  グリニー だ。

(客観的に言えばここはバッハなのだろうけど

 わたLくしの「想い」は三人が霞んでしまうかのような人選は許し難い…)

(オルガンにおけるバッハの仕事は

 ピアノソナタにおけるベートーヴェンの仕事にどこか似ている…) 

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思い出話   テンペスト

西洋音楽は文字通り遠い異国の音楽だから、

東洋の日本人がいきなり聴いて親しみやすい訳がない。

(洋の東西を問わず売りこみたい音楽は「商品音楽」だから別物)

親しみ難い音楽をことさら聴く理由はない。

わたくしは、いきがかり上、聴く事になってしまっただけだ。



神奈川県は悪名高いアチーブメントテスト「県下一斉実力テスト」という

ものが公立中学の二年末に実施されていた。

その本番一週間前、業者が行った模擬テストの採点結果が返された。

採点結果を親にみせると、家族会議が開催された。

その席上、「勉強しないなら親子の縁を切る」とわたくしは言われた。


本番テストは

東大に何十人も入る有名進学高校にはいるには400点

公立高校普通科にはいるには300点

が必要とされていた。

わたくしの点数は260点であった。

父親は失望のあまり、そんな台詞を口走ったのであろう。

わたくしは仕方なく泣いて「勉強します」と誓うしかなかった。

すると彼はあろうことか

「もう公立高校は無理だから、お前は勉強して慶応の付属を目指せ」

とのたまわったようだった。

愛情あるがゆえに失望のあまり口にでた言葉と思えるわけもなかった。

こいつはとうとう狂った。

わたくしは小学校の低学年の時のテストの点数悪い時の母親のビンタの恐怖、

小学校高学年になってビンタができなくなると、会社から帰ってきた父親に

母親がテストの点数の告げ口をして、父親から殴る蹴るの暴行を受ける恐怖

を思い出した。

「こいつらは死なねばならない」と感じた。



のちに金属バット殺人事件が起こった時、

わたくしは「彼」の気持を痛いほど理解した。

この事件をテレビで喋る教育者、学者、評論家、すべてがピンボケだった。




さて、まったく勉強していなかったわたくしは本番までの一週間「勉強」した。

ただ過去問をやっただけだが。

こんなに集中して「勉強」したのは後にも先にもない。

実際に集中したのは5日間だけだった。

本番で369点をとったわたくしは 抜け殻になった。

(この点数だけは正確に覚えている)

春休み  

外を何時間も徘徊し、内で音楽を聴くという繰り返しだった。

聴いていた曲はベートーヴェンのテンペストソナタ一曲のみ。

こんな生活が一カ月続いた。

この一カ月でわたくしの聴く音楽の方向性は決まってしまったのだ。

勉強しない習慣も変わるはずもなかった。




PS

わたくしは結局、金属バットを手にしなかった。

19才で育てて頂いた両親に復讐したから。

どんな復讐かというと

法学部で日本で一番高い偏差値の私立大学に合格し、

それと同時に「勉強」を一切完全放棄するという復讐でした。

それからは両親とは円満な関係になったことをご報告しておきます。

ちなみに本文の表現は時間軸を短縮して書きました。

まだ父親は健在でありがたいと思っています。



















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